カテゴリー [ 法律・経済 ]
『アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書』 山岡道男・淺野忠克

今でも、ネズミ講やマルチ商法に引っかかる学生が後を絶たないと聞く。
ちょっと考えれば落とし穴に気づくはずなのに、なぜ誘惑に乗ってしまうのか。騙す側の巧妙な手口をかわすのはやっかいではあるが、パーソナルファイナンスを身につけていれば、少なくとも簡単に騙されることはないだろう。
パーソナルファイナンスとは、「消費者教育」「個人資金管理」のこと。日本ではあまり耳慣れない言葉だが、アメリカではこのパーソナルファイナンスを若いうちから学ばせる動きが広がっている。90年代、カード破産者の増加を背景に、NCEE(アメリカ経済教育協議会)は、国民への経済教育に力を入れ始めたのだ。
本書は、NCEEが策定した経済教育のフレームワークを基に作られた高校生向けの教科書を、日本の実情に合うように置き換えたものである。高校生向けのテキストを底本にしているので、とても分かりやすい。しかも、経済学の基本はきちんと押さえてある。
『クチコミのチカラ』 ベクトルグループ編著

インターネットの登場で、最も影響を受けたのは、人々の消費スタイルではないだろうか。
これまでは、テレビCMや雑誌・新聞、電車の中刷り広告など、いわゆる「マスメディア」から流れてくる情報が、私たちの判断材料の大部分を占めていた。旬のタレントがにっこり微笑みながら手にしている商品は、「なんとなく良い」ものとして自然と記憶に刷り込まれ、購買意欲を刺激していた。
しかし、それらの影響力は、以前に比べると格段に低下しつつある。代わって重きを占めるようになったのが、インターネットを飛び交う無数の情報。
私自身、何か買う(その商品が高額であるほど)前にはまず、アマゾンや価格.com、ブログなどのレビューに目を通し、情報を集めるのが当たり前になった。ネット上のクチコミサイトが活況を呈していることをみても、この行動は一般的なものなのだろう。
『コンテンツビジネスによく効く、著作権のツボ』 八代英輝

「知らなかった」では済まされない著作権の知識

IT革命の到来に大騒ぎしていた数年前の日本で、インターネットで私たちの生活がどのように変わるか、さかんに議論された。売り手と買い手が直接売買でき、中抜き現象が起こる、情報発信の双方向性が生まれる、瞬時に情報が伝わることによって時間と場所の垣根を越え、グローバル化が進む等、さまざまな現象が指摘された。
中には予想がはずれたものもあるが、その中で、インターネットの普及により人々の知的財産権への関心が高まったことが、注目に値する。
これまでは、「知的財産」という言葉はなじみが薄く、権利に対するモラルも低いものだった。しかし、個人が自由かつ手軽に情報発信できるインターネットは、誰もが知的財産権の権利者にも、他人の権利の侵害者にもなる可能性を持っているので、もはや「知らなかった」では済まされない、必須の知識となっている。「これって著作権侵害じゃないの」というサイトを見るにつけ、今はネットの普及に人々の意識やルールが追いついていない過渡期なのだな、という印象を強く受ける。
『ハリー・ポッター 魔法のブランド術』 スティーブン・ブラウン

私が、『ハリー・ポッターと賢者の石』の出会ったのは、日本ではほとんど話題になっていない時で、あまりのおもしろさに家族や友達に薦めて回ったものの、反応は冷ややかなものだった。その時は、まさかここまで大ベストセラーになるとは思いもよらなかった。今や世界中の認知度たるや、マクドナルドに匹敵するのではないだろうか。
確かに、『ハリー・ポッター』シリーズは傑作だし、人々が夢中になるのは肯ける。けれど、シリーズを通してみたら傑作とはいい難い作品もあるし、同じくらいおもしろい作品は他にたくさんある、とも思う。
にもかかわらず、なぜ『ハリー・ポッター』はこんなに売れたのか。そこには、作品自体の素晴らしさ以外の戦略が隠されているのではないか。そんな発想から、『ハリー・ポッター』シリーズの魅力をマーケティングの観点から読み解いたのが本書である。

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