カテゴリー [ タ行の作家 ]
『光抱く友よ』 高樹のぶ子
光抱く友よ (新潮文庫)
人間関係を鮮やかに切り取る
芥川賞受賞の表題作と、「揺れる髪」、「春まだ浅く」の三短編を収録した作品集。
友情、親子愛、男女の愛、と扱うテーマはそれぞれ異なるものの、三編とも、“他者との関わり”という人類永遠の問題を深く追求した作品である。
大学教授の父親を持ち、おとなしく優等生の相馬涼子と、アル中の母親を持ち、早熟で不良っぽい松尾勝美。「光抱く友よ」では、境遇も性格も違う二人の女子高校生の友情を描いている。およそ共通点のない二人が惹かれあい、友情を育んでいく様子を、高樹のぶ子の筆は丹念に描き出す。作品には、女性の視点ならではの描写が散りばめられている。
涼子が家に松尾を招き家族と食卓を囲む場面は、この作品の山場といえよう。煙草を吸い、投げやりな態度で家族と接する松尾に対する、涼子の気まずい心理がうまく表現されている。
人間関係を鮮やかに切り取る

芥川賞受賞の表題作と、「揺れる髪」、「春まだ浅く」の三短編を収録した作品集。
友情、親子愛、男女の愛、と扱うテーマはそれぞれ異なるものの、三編とも、“他者との関わり”という人類永遠の問題を深く追求した作品である。
大学教授の父親を持ち、おとなしく優等生の相馬涼子と、アル中の母親を持ち、早熟で不良っぽい松尾勝美。「光抱く友よ」では、境遇も性格も違う二人の女子高校生の友情を描いている。およそ共通点のない二人が惹かれあい、友情を育んでいく様子を、高樹のぶ子の筆は丹念に描き出す。作品には、女性の視点ならではの描写が散りばめられている。
涼子が家に松尾を招き家族と食卓を囲む場面は、この作品の山場といえよう。煙草を吸い、投げやりな態度で家族と接する松尾に対する、涼子の気まずい心理がうまく表現されている。
『夜市』 恒川光太郎

幻想的な世界

今宵は夜市が開かれる。
書き出しの一文を読むだけで、すうっと、物語に引き込まれる。「夜市って何?」と疑問に思った者はすでに、この作品の持つ不思議な力に魅入られているのだ。
夜市は、市場だ。それは、夜開かれる、特別で不思議な市場。
そこでは、欲しいものは何でも売っている。〈黄泉の河原で拾った石〉、〈なんでも斬れる剣〉、不思議な生きもの、老化を調整できる薬、能力や自由といったものまで売り出される。ただし、客は買い物をするまで、そこから出ることはできない。
夜市へ出かけた二人の若い男女。彼らが夜市で出会ったもの、買ったものの背景には、男の悲しい過去があった。
日本ホラー小説大賞受賞作の、妖しく悲しい物語。
『ウルトラ・ダラー』 手嶋龍一
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