ぐらんぼん

乱読・積読・併読の本の虫による書評。

『北極のナヌー』 ナショナル ジオグラフィック

★★★☆☆

ひゅうっと、冷たい風が吹きぬけた気がした。
ページをめくると、そこは一面の氷と海の世界。映画・「北極のナヌー」公式フォトブックの本書は、北極で生きる動物たちの姿を生き生きと写し出している。

公開を目前に控えた映画は、ホッキョクグマのナヌーと、セイウチのシーラの誕生から親になるまでの、命のサイクルを追ったドキュメンタリーである。本書はその内容に沿って構成されており、大迫力の写真で彼らの生態を垣間見ることができる。
両者に光を当てているのは、共に子育て熱心な動物だからだ。過酷な極北の地では、強く賢いものしか生き残れない。その知恵が、何世代もわたって親から子へと受け継がれているのだ。ホッキョクグマは単独で、セイウチは群れで生まれた子どもを育てる。母親が子どもを抱きかかえて海に入るセイウチの姿は、感動的だ。
[ 2007/10/02 ] その他 | CM(0) | TB(1)

『ルー炎上! 恥かけ、汗かけ、涙しろ』 ルー大柴

ルー大柴を好きになるかも ★★★★☆

私の友達に、好きな男性のタイプがかなり個性的な子がいた。
イランやイラクといった中東系の濃い顔が好みなのだ。そんな彼女の好きな芸能人は、ルー大柴。濃い顔が好きなのはいいとして、なぜ日本人代表がルー大柴?
最初、冗談を言っているのかと思ったが、本気なのでさらに驚いた。私や周りの友だちは、「ルーだよ、ルー!絶対趣味悪い。」などと言って彼女を正気づけようと試みたが(大きなお世話である)、彼女は、あの顔が「たまらなくセクシー」なのだと一歩も譲らなかった。木村拓哉や福山雅治など“正統派”男前には何の興味も示さず、ひたすらルー大柴を追い続けていた彼女を見て、「蓼食う虫も好き好き」という言葉を噛み締めたものである。
[ 2007/06/07 ] その他 | CM(2) | TB(1)

『世界のドア』 ベルンハルト・M・シュミッド

世界のドアページをめくれば世界が広がる ★★★★☆

子どもの頃、ドラえもんの「どこでもドア」が欲しかった。
「どこでもドア」さえあれば、学校が始まるギリギリの時間まで寝ていられるし、世界一周旅行も思いのままだ。いつ人に見つかって捕獲されるか分からない「タケコプター」より、何倍も使えるアイテムだと思っていたのだ。

もちろん、そんな便利な道具はないし、22世紀まで待つこともできない。けれど、本書を開いて、家にいながら一瞬にして世界中を巡った気分を味わうことはできるだろう。
[ 2007/02/06 ] その他 | CM(0) | TB(0)

『恋愛論』 橋本治

なるほど、橋本治はこうして作られたのか ★★★★☆

「恋人がほしい!どうしたら作れるのだろう。」

と、素敵な異性との出会いや、モテる方法を求めて本書を手に取る人には、ほとんど利益をもたらさないだろう。その、「恋人を切実に欲する自分」という存在を考え直すきっかけにはなっても。

「彼(もしくは彼女)と最近うまくいかない。別れた方がいいのだろうか。」

と、街角の占い師に救いを求めるように、左右どちらの道を進むかの選択を本書に委ねる人は、思い通りの答えは得られないだろう。自分が恋愛できるだけの「感性的な成熟さ」が備わっているか、問いかけられることがあっても。
[ 2007/01/24 ] その他 | CM(4) | TB(3)

『脳と音読』 川島隆太・安達忠夫

脳と音読
ミクロとマクロの視点で教育を問い直す ★★★☆☆

今、(第何次目かの)「脳ブーム」である。書店には「脳」に関する本が平積みで並べられ、人々は、「ボケない」「頭が良くなる」という言葉に敏感に反応する。
本書は、その生みの親の一人である脳科学者、川島隆太教授と、ドイツ語学者であり自身で教育実践も行っている、安達忠夫教授による往復メール形式の共著である。
[ 2007/01/11 ] その他 | CM(0) | TB(0)